Pahud 2010/10/16_Sat_22:17

昨夜は友人と共に，Emmanuel PahudとChristian Rivetのリサイタルを聴きに出かけた。
Pahudは言わずと知れた世界的フルーティスト。ベルリン・フィルや，レ・ヴァン・フランセ等のメンバーとしてでたびたび来日している。その友人Rivetは初めて目にした名前だが，どうやらこちらも世界的ギタリストらしい。

そして，昨夜の白眉は何と言っても武満徹の作品群であった。
Pahudの演奏した『エア』は武満の遺作である。
極限までに高まった集中力と密度の高い音色が会場を満たした。
なんというか，濃い霧に覆われているホールの中で，一筋の閃光が瞬いて消えていくような。
その光が霧に消えた時，曲は閉じられる。
武満の著書や言説の節々にある，日本人の失いかけている感性。その原点である「静寂」を昨夜の演奏会で感じた。

ただ，残念だったのは，Pahudが武満の曲に込めた思いや日本人の感覚を，「静寂」の中で感じ取ろうとしていた(のだろうと思いたいが)その矢先，割れんばかりの拍手がPahudを不意に現実に呼び戻した。その拍手の主が日本人であったことは，皮肉以外の何物でもない。

最近，動と静のコントラストについてよく考える。
日々の授業でもそうだが，しゃべり倒している教師ほど，子どもにとってうざいものはあるまい。ベテランの教師は，間の取り方や声のコントラストが絶妙だ。見ているだけで非常に勉強になる。

音楽も同じだろう。
演奏するとき，それは(不正確にいえば)無音の空間に奏者が音を置くことである。
よく考えれば，それはそれは非常に神経を使う作業だ。
日常生活の中では，騒音や操音はあっても，楽音はそれほど多く存在してはいない。
無音というただでさえ異常な空間を，日常ではそれほどお目にかかることのない楽音が満たす。
それが心地よくなるか，不快指数満点の空間となるか。
それは，音を扱う者の腕にかかっている。

作曲するとき。
私自身は作曲理論を勉強したものの，作曲は全くできない。
よく考えると，何もない五線紙(あるいは図形楽譜)にどのように音を置くか。
どのような音色で，どの高さで，どんなリズムで…。想像しただけで体重が減りそうである。
お茶の水女子大学で作曲を教えている，近藤譲が書いた「音を投げる」という本がある。
久々に読んでみたくなった。

吹奏楽コンクール 2010/08/01_Sun_18:57

今日は，吹奏楽コンクールの島根県大会を聴きに行った。
レッスンにお邪魔していた高校が出場するので，その生徒たちの頑張りを見届けたかったのである。
どの団体も素晴らしく，先生と生徒の努力がいかんなく発揮されていたように思う。
おまけに，我が母校は中国大会に出場するらしい。めでたいことだ！

成果を発揮する舞台はとても厳粛なものだ。
どの団体として同じ演奏はなく，「工夫」された演奏を聴くことができた。

なぜ，「工夫」なのか。
私は，今日一日「個性」と「工夫」の違いについて考えながら聴いた。
先ほど，どの団体として同じ演奏はないと書いたが，今日，この違いがほとんど「工夫」のレベルでしか感じられなかったのである。聴いている私のアンテナが悪いと言われればそこまでだが…。
どの団体も「工夫」の表出のされ方は当然違ってくる。
ただそこに「個性」はあまりない。その団体にしか表現できない「個性」がにじみ出てくるはずだ。
私も楽器を演奏する時には，このことについていつも悩む。
その「個性」を感じ取ることができた団体は，今日のコンクールにおいて結果が出ていない。
なぜだろう。私の感覚が変なのか。

私は，吹奏楽界にある種の「市場」が形成されていると考えている。
「求める」側とそれを「生産する」側。お互いの模索が，こんにちの「没個性」につながっているのではないか。
成果主義と商業主義が，確実に音楽に浸透してきている。
先生が悪いわけでもないし，もちろん生徒が悪いわけでもない。
これは，音楽に携わる者が未来に向けて考えてゆく必要がある課題である。

教員を目指す私が何ができるのか。
またひとつ宿題が増えてしまった。

聴きなれない鑑賞教材 2010/06/30_Wed_04:50

教員採用試験の中で，ひとつ厄介なのが専門教養での放送問題。
去年みたいにクラシックの名曲ばかりなら何の問題もないが，いつぞやみたいに日本の民謡(学習指導要領上の「我が国や郷土の伝統音楽」)が出題されると，たまったものではない。
ひたすら中学校の鑑賞用CDや"You Tube"で曲を収集しているが，古典の鑑賞教材と合わせるとすさまじい曲数になる。

あぁ，こまったこまった。
一つずつつぶしていくしかない。

さあ，今日も仕事仕事。

長旅 2009/11/24_Tue_05:30

先週の土曜日は，岩国へ車を走らせた。
目的は，チェコ・フィルの日本公演鑑賞。
「新世界」と「田園」という超有名プログラムであったが，非常に生き生きした素晴らしい演奏であった。

後輩たちと車5台で連なり岩国へ向かったが，途中での寄り道がむしろメインになったような(笑)
S.A.にカバンを忘れる人，車内に携帯電話を放置して帰る人など，珍トラブルが多発したものの，それを含めてよい長旅となったのであった。

今日も5時に大学着。
勤務先の高校の授業の準備をしつつ，教採の勉強。
今週はいよいよプラスの定期演奏会があるので，時間を有効に使い，体調管理をしっかりする必要があるだろう。

告知 2009/06/16_Tue_08:43

昨日は、明日の本番に向けての実質最終合わせ。
poulencは安全運転ながら、なかなかいいカンジ。
あとは、saint-saensとbartokが若干…(汗)。

さて、今日も朝から夜までなかなか激しい一日になりそう。
6:40　大学
6:45　明日のプログラム等、清書
7:00　タイムテーブル等、書類作成
7:30　高校の準備
8:00　教採勉強
8:45　高校へ出撃

さて、これからどうなるか…。


以下、明日の本番の詳細。
ぜひ多くの方にお越し頂きたい。

「アンサンブルの夕べ　vol.1」
　～近代フランスを中心に～
　日時：6月17日(水)　18:30開演
　場所：島根大学　大学会館　大集会室
　曲目：ピアノと管楽器他のための六重奏曲(プーランク)他


今日も一日、beautiful～(by　めざましTV)

速報 2009/04/18_Sat_00:06

本日の、某講習会一日目。
「最強につまらなかった」、ととある参加された先生から連絡が入った。
取り急ぎ(笑)

創作 2009/03/27_Fri_23:08

旋律を作ることだけが創作ではない！
作曲家の思考の逆を辿る「アナリーゼ」も、創作の一種である！
という論を、日曜日に展開しようと考えている。

県民 2008/09/14_Sun_20:38

今日は、県民ミュージカル「あいと地球と競売人」の音楽稽古のために、県民会館に行った。





写真は県民会館のオケピ。

歌っている子供たちが、とーってもうまい！　かなり練習したんだろうな。
個人的には、「あめっ(雨)！　ぼっくらがこえだにおちたときっ♪」て歌ってた子供たちに萌えーっ(笑)











今回、私はバスクラ担当なので、チューバやトロンボーンと一緒にお仕事することが多い。でも、小編成だし、みんなで一緒に演奏してる感が、いつも以上にある。

次回の練習は28日。もう少し自身の練習が必要だ。

スタッフの皆さん、お世話になりました！

島大の皆さん、おつかれさまでした！

現代 2008/08/24_Sun_00:20

昨日、現代音楽セミナー＆フェスティヴァル「秋吉台の夏2008」の全日程を終えて、松江に戻ってきた。運転すること8時間！　雨の国道9号線を疾走し、寄り道をしまくってこんなに遅くなってしまったのだ。

思えば、初めて参加したのは4年前の大学3回生の頃であったか。現代音楽なんてさらったこともなく、右も左も分らぬまま無謀にも秋吉台に乗り込んだのである。

その時に出会った人々とは、講習会が終わっても付き合いがあり、一緒に仕事をしたり、飲んだり、会って話をしたり…。この秋吉台の夏は、学びの場であると同時に大切な出会いの場所でもあった。

そして、4年(3年前は2日間参加)ぶりに参加したマスタークラス。受講生コンサートでは、4年前と同じ「クラリネット・ソリテュード」を作曲者の湯浅譲二さんの前で演奏させてもらった。作曲者本人の前というのは以上に緊張するものである。とっても素敵な曲だがとっても難しい曲でもあり、決して満足のゆく演奏ではなかったが、4年前に吹いた時とは何か違う感覚が残った。そして、作曲者本人に会ってお話を聞くというとても貴重な経験もできた。BachやMozartに会うわけにはいかないからね。

そして、コンサート後のレセプションでは、初めて会う方、数年ぶりに会う方、ちょくちょく会っている方といっぱいお話をした。フルートのMarioやヴァイオリンのGeorgeとも話をさせてもらった。また、毎晩のレッスン後の飲み会もとても大切な時間だった。

そして最終日は、講師の先生方や講習会のお世話をして頂いた島大の方たち、9号線を通って帰る島根組9人と一緒に、カルスト台地観光と、別府弁天池で鮎料理を堪能して帰路に着いた。帰りの車中もいろいろな話で盛り上がって、長時間の運転も疲れなかった。

また新しい目標をたてて頑張ろう。

再来 2008/06/11_Wed_23:41

　今日は、予告をしていたこととは違うが、軽く事件が起こったので書く。前回宣伝した内容は、次回に回そうと思う。ご了承を頂きたい。

　大学の定期演奏会の曲目が急きょ変更になった！　まさかの急転直下…。

　新しく決まった曲は…、まさかの、三年前の秋再来！　私は、もちろんEsCl担当である。