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20日から22日まで東京に行っていた。
半年振りに行ったのだが、何をしに行ったのかというと、吹奏楽の甲子園こと"普門館"に、全日本吹奏楽コンクールを聴きに行くため。聴きに行くつもりは無かったんだけど、とある友人に誘ってもらったので、「せっかくだし」と行ってきたわけ。
高校生までは、吹奏楽にのめりこんでいたが卒業してからはそうでもなく、「あんなの指揮者コンクールじゃん」みたいな複雑な気持ちもあって、全国大会を聴きに行ったのは今回が実は初めてであった。
・20日(土)
伊丹空港から全日空で羽田に向かう。超レアな"STAR ALLIANCE"塗装の、B777-200。マニアとしては思わずパチリ!
羽田に着いて、今回の火付け役H氏と合流。修理に出していたクラリネットを取りに錦糸町へ。私が微調整をしている間、H氏はアンサンブルの楽譜探し。その後、移転中のヤマハ銀座店へ。マニアックな楽譜を探して、2時間滞在。よほどウザイ客達だったに違いない。
そして、表参道が原宿に移動。ビアバーブラッセルズ(原宿店)で宴会。ベルギービールファンをまたひとり作ってしまった(笑) やはりウマい!
その後、表参道でお茶をし解散。千葉の弟の家に泊まった。着いたのは、日付が変わって1時。原宿から総武線各停…。長い…。
・21日(日)
ついに来た、普門館! 話には聞いていたが、その大きさにビックリ。
いよいよ午前の部の演奏開始。印象に残った団体をいくつか。
2.中国代表 出雲北陵高等学校
地元の高校。指揮者は、伝説の出雲一中で「五金」一度と「三出」二度という偉業を成した、原田実先生。私は、この先生のつくる音楽がとっても好きである。この日も、素直な音と長いフレーズで、流れるような課題曲と自由曲「トゥーランドット」を演奏していた。
3.関西代表 大阪府立淀川工科高等学校
言わずと知れた名門。TVで何度も特集されて、ご存知の方も多いであろう。私は、正直ここの演奏に対していい印象を持っていなかったのだが、この日は違った(気がした)。今までとは違うサウンドと音楽。まぁ、メンバーが毎年変わるし、当たり前といえば当たり前なんだけど。
6.東海代表 三重県立白子高等学校
午前の部唯一の課題曲Ⅰ。友人のピッコロ奏者に言わせると、「くそムズイ」らしい。クラリネットも鳴りにくい音域ばかり使って作曲されているので、大学での試奏大会のときにもいろいろ思ったし、今まで聴いたどの団体も苦労していたが、この高校は違った。この課題曲を初めて面白い曲だと思った。
9.東関東代表 船橋市立船橋高等学校
この高校の演奏には、本当に感動した。"「感動」という言葉は、こういうときのためにある"と思った。涙が出そうになった。とーっても自然で音楽的。指揮者と生徒が信頼しあってるんだろうなぁという印象。こういう団体が、評価されないのはとても残念である。演奏前に先生が、何か「紙」に何かを書いて生徒に見せていた。なんだったんだろう? 「安心」という文字が見えたが。
11.北海道代表 北海道旭川商業高等学校
船橋高校と並んで(私の感じた中で)印象に残ったバンド。自由曲は定番の"ダフニス"。私は、正直言ってアレンジものが好きではない。特にラヴェルなんて、オーケストレーションと音楽が表裏一体みたいな曲をオケの真似事しても仕方ないじゃんと思っていた(今でも思っている。)。実際に、大学の授業でこの曲を演奏してしまったら、その考えは増幅される一方。しかし、ここはそれを考え直させる演奏だった。多くの団体が演奏する"夜明け"ではなく、ほとんどやらない"パントマイム"、しかも超有名・超難易度が高いと言われるフルートソロから演奏開始。そして、この高校のフルートの上手いこと! 先生にやらされているのではなく、生徒自身の心のそこから表現された音楽(少なくとも私はそう感じた)。そして、そのソロを中心にしてパントマイム全体を形作り、"全員の踊り"までノーカット。アルトフルートのソロも静寂の中の残像のよう。響きもオケの、ラヴェルの響き! そして劇的なクライマックス。ブラボーっ! どうしてこういう団体が評価されないのだろうか。私は、審査員でもなんでもないから、ごちゃごちゃ言えないのだが、とーっても残念である。
13.東京代表 東京都立片倉高等学校
確か6、7年前だろうか。"シャカタ"という"曲の半分はスキャット"みたいな曲を演奏していたことが、頭に鮮明に焼き付いている。このバンドが取り上げた自由曲は"交響三章"(三善晃)! そのうち、武満を取り上げる時代が来るのだろうか…。
例) ○○代表~、▲□立※◆高等学校。 課題曲○に続きまして~、自由曲は武満徹作曲"鳥は星型の庭に降りる" 指揮は○○○○です。(拍手) う~、吹奏楽の進歩とは恐ろしいものだ。
そして前半が終わり、休憩。近くのトンカツ屋さんでF川夫妻に遭遇(奥さんは錦織健氏の妹)に遭遇。「あ~、あんたたち、なにやっちょーかね?」 …こっちが聞きたい。
後半の部開始。
3.西関東代表 埼玉栄高等学校
合唱部と共に、全国大会常連の名門校。今年も新たなアレンジで、"カヴァレリア・ルスティカーナ"を演奏。ここがまた上手い! とーっても音楽的! 劇的な音楽のもって行き方! そして、とーってもいいアレンジ! もはやこれはプロの域だなぁ。などと、えらく感動。H氏は早速楽譜を探しに当たるらしい(笑)
10.九州代表 福岡工業大学附属城東高等学校
ここも名門。自由曲はおなじみ"トゥーランドット"。
ていうか、ここのオーボエ反則! 思わず会場の涙を誘いそうな、音と音楽! こいつ、ほんとに高校生か!?
曲全体もとっても音楽的で、オペラのいろいろな場面や"誰も寝てはならぬ"を髣髴とさせる。感動!
とまあ、エラそうに私見を綴らせていただいたが、全国大会を聴いて思った。「この人たちに優劣をつけて評価することは非常に酷なことである」と。
今まで、CDなどを通して全国大会に出たバンドの演奏を聴いて、「ああ、結果相応なんだろうな」などと勝手に思い込んでいたが、生で高校生の演奏に接して、そのことがいかに浅はかであったかを知った。それぞれのバンドには、それぞれのカラーがあって、よく審査票に見られる「音楽的な工夫がない」などということを感じたバンドは、ただのひとつもありはしなかった。差なんてない。あるとすれば、それは各バンドのもつ音色や細かいテクニックであって、そんなことはとるに足らないことだと私は思う。大切なのは「音楽」であって、プロ顔負けの演奏をするよりも、高校生らしい若々しさや、彼らにしか出来ない演奏しているということのほうが私にとっては大切だ。だから(かどうかは知らないが)、前半で個人的にとーっても素敵だと思った船橋高校と旭川商業が評価されなかったのは、個人的にはとても残念である。
雑誌に載っている講評に「縦の線があっていませんね」とか「和音の音程が云々」などと書かれているが、全国大会に出てくるバンドが、そんなところを見過ごしているわけが無かろう。それは、その日たまたまそうであっただけかもしれないし、最初から合わせずに放置しておいたものと、その日の演奏でたまたまズレたものの違いくらい、審査員には分かるのではないだろうか? まぁ、でも、「コンクール」というのはその「時間」の中での演奏だけが評価されるものだから(これも審査員によっては違うのだろう)仕方ないという気もするし、たぶんそうなのだろう。私ごときが感じてていることを審査員が考えていないはずがない。審査員は仕事をしているだけなのだから。確かに、縦の線や音程・リズムがバッチリなら、減点のしようはないよなぁ…。
そして、もうひとつビックリしたことは、新しいアレンジや新曲が、10曲近く演奏されていることである。これはまことによろしいことだと思う。それぞれのバンドが、自分たちに合った編曲で、自分たちの表現を磨く。素晴らしいことだ。その曲に対する思い入れも相当なものだろう。
もー、全団体・金賞でいいじゃん。高校生の皆さん、本当にお疲れ様。感動した! そして、「吹奏楽なんて…」って思っているそこのアナタ! ぜひ、一度聴いてみて頂きたい。
そして、いま最もナウい(死語)六本木の、ミッドタウンでディナー。のち、二件目のバーでさらに飲み、輸入食材店を物色して解散。
・22日(月)
昨日の疲れが溜まり、風邪をこじらす。10時に新宿に集合し、買い物。CD屋を2軒(新宿タワレコ&高島屋HMV)。また2時間居座る…。そして、神楽坂でフレンチを食し、羽田空港へ。H氏は17時の飛行機で先に離陸。二人で、空港の中の土産物屋を物色していると、「御福餅」なるものが!! これぞまさに今をときめく「赤福」の代替品であろう。しかし、伊勢でもないのになせ羽田にこんなものが?? 謎である。
そして私は、19時に関空へ帰着。相変わらず広い!
今回は、吹奏楽の旅だったのか、それとも食い倒れの旅だったのか? 帰ってからいつもこう思うのである。
…FIN
普門館行かれたんですね!一度は行ってみたいホールです。
全国大会は02年の大職一般を聴きに行ったことはありますが、高校の部は一度行きたい行きたいといって結局いけませんでした。
優劣とかほんとにつけられなさそう・・・。
聴きに行きたかったなあ・・。
グランキューブの年ですよね? あの時、私は○帆氏と一緒に行きました。いらしてたとは知りませんでした。多分、○帆氏も(笑)
いや、ホントにね、優劣付けるのは酷ですよ。結局、「吹奏楽は…」とかなんとか言われることが多いですけど、高校生は悪くないですからね。
今回一緒に行った方と話してたんですけど、「演奏が終わって、僕らが『ブラボー!』って叫びたくなる(実際はもちろん叫んでません)演奏ほど、周りはシーンとしてるよね」という妙な意見の一致を見ました。「自分らの一番聴きたいところって、そんなに周りの感覚とズレてるのかな?」とも話していました。ま、正解も不正解もないので、そんなことはたいした問題ではないのですが…。とにかく、結果が出ていなくても感動したバンドはあったし、逆に結果が出ていも「へー」というバンドもありました(決して下手だという意味ではありません)。
今回のことは、プロ・学生・アマすべてに関係する、「音楽に対する評価」
について考えるキッカケになりました。
これ全部書くのに一時間かかった…。
あなたの日記も拝読したいので、早急に書いてください!(笑)
そう! 実は(笑) フランス行ったときも、乗り換えのシンガポールとかパリで、ずっと空港ウロウロしてた(爆)
>いやーこれ読んどったら私も全国大会聴きに行かんといけんなと思ったよー♪
うん、まぁ、行かなきゃ行けないかどうかは分からないけど、すごく興味深かったよ。なんか、今回の日記って結局「コンクールは不要論」にっなている気もするなぁ。
大阪で聴いた全国大会、懐かしいね。
ちなみに、F川夫妻って分かるよね?(笑) あ、W部一郎氏もいたよ(修明さんと親子で)。
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